炭の酸性・アルカリ性

炭のpHには、炭そのものの表面のpH、炭から溶出する成分のpH、の2種類があります。
表面のpHは、炭の炭化温度に関係し、一般に低温では酸性になり、高温で焼かれる程アルカリ性が強くなるといわれています。
もう一つのpHは、炭からの溶出成分、例えば水に炭を浸したとき炭から染み出す成分、のpHです。樹木には各種の無機物(ミネラル)があり、樹木が炭化するときこれらはそのまま炭の中に残り、水に浸したときアルカリ性の無機物として溶出します。風呂などに炭を入れると水がアルカリ性になるのはこのためです。
炭のpHは、用途によって使い分けられます、例えばー
・アンモニアのようなアルカリ性物質を吸着する場合は、表面が酸性の方が良く、またその逆の場合もあります。
・土壌改良では、酸性土壌を中和するときアルカリ分の高い炭が必要であり、通常の土壌改良では中性に近い炭が使われます。
従って、炭を燃焼以外に使う場合は、酸性・アルカリ性の違いも考慮に入れることが肝要です。

炭のpH測定は、容量100mlのビーカーに炭1gを入れ、10分間煮沸させた後、水が蒸発した量を加え、pH計で測定します。