今年2月10日山本粉炭工業本社を訪問したとき、畠山重篤氏が執筆された「鉄が地球温暖化を防ぐ」(文芸春秋)という本に出会った。早速、横浜へ帰って買い求め、通勤バスの中で読み耽った。
正に、『眼から鱗』である・・・・・・・・・
この写真は、昭和45年(1970年)、38年位前の高津川の上流で晩越近くの風景である。
船は岸の上にあるのではなく、川に浮かんでいるのだ・・・・・こんなに水がきれいで、川の底が透けて見えるのが普通だった。
この高津川は現在、清流日本一の評価を受けているが、当時と比べれば見る影もないほど汚れている。
この本を読んでみると、鉄が生き物のためにどんなに必要なものかが分かる。
鉄がイオンとなれば、細胞膜を通過することが出来る。
血液中で酸素を運ぶヘモグロビンは、赤血球の中にあるたんぱく質であるが、その中に2価の鉄原子があって、それが酸素と結合し、血液が酸素を運ぶことになるそうだ。
川の場合は、落葉樹の落ち葉が積もった処でフミン酸やフルボ酸が生まれ、そのフミン酸が鉄を溶かして鉄イオンとなり、鉄イオンがフルボ酸と結合してフルボ酸鉄という安定した物質となり、これは細胞膜を通過するそうだ・・・・・・これから先は本を読んでほしい。
落葉樹が多い山から流れ出る水が綺麗なのは、これらの酸と鉄が関係しているそうだ。
近年は落葉樹の部分に針葉樹を沢山植林し、その上山が荒れているから、これらの酸が出来辛い環境となり、鉄イオンが少なくなっているため、河口付近で沢山取れていた魚が取れなくなったようだ。
ここで『鉄炭だんご』の登場である。
これらの酸が少ないのを、鉄と炭の電解作用で補おうとするものだ・・・・・・・・・これも詳しくは本を読んでほしい。
鉄炭だんごは、鉄くずと炭を混ぜ合わせて、繋ぎに粘土やご飯粒・・・・・などを入れて団子をつくり、炭に焼く。
これを、どぶ川などに沈めて置くと、やがて綺麗になるそうだ。
鉄が溶けて、微生物が繁殖し、どぶを食ってくれる??
是非、高津川でも試してほしい。
この記事をアップしたことを山本社長に連絡すると、鉄炭だんごに使われている炭は当社からお送りしたものですよ・・・・・・・・と