土壌改良炭使用モニター試験

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土壌改良炭の使用モニター試験を行っています。
その触りの部分をちょっとお裾分け。

この写真は植え付け前の麦畑に土壌用粉炭を持ち込んだ日(平成20年10月6日)のものです。

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発芽してしばらく経ったときの使用区域(左)と使用しなかった区域(右)の比較写真です。
土壌用粉炭を使用したところでは均一に発芽したことが伺えますが、土壌用粉炭を使用しなかったところはこのように疎らです。粉炭を投入したことの効果が見受けられます。

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上の写真は、平成21年2月26日に撮影したもので、土壌用粉炭を入れたところ(左上)と入れなかったところ(右下)で差が出ているように見えます。

実際にこの麦畑を管理されている農家の方にお尋ねした結果は次の通りでした。
①土壌改良剤として土壌用粉炭を使用し、麦の生育状況を比較すると大きな差がある。生育が均一でむらがない。
②来年度も是非活用したい。
③バーク粉炭の良いと思った点は粉炭施用が簡単である。
④袋は使用済みの紙袋で十分だ。
⑤収量、質については、初年度で変化を認知することができない。

アグリチャー

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アグリチャーという言葉は、日本では未だ聞くことが少ないが、外国では「日本で行なわれている木炭を土壌に入れる」ことを、地球温暖化の対策として有効な方法であると考え、「アグリチャー」という言葉が生まれたそうだ。 10年近く前にオーストラリアから入ってきた言葉で、「パーマカルチャー」がある。 これは、パーマネント(永久の)、アグリカルチャー(農業)の合体語で、カルチャー(文化)という意味も含まれていて、無農薬・有機農業を基本とした持続可能なサイクルを考えた地域づくりを表す言葉である。 今度の「アグリチャー」は、アグリカルチャー(農業)とチャーコール(炭)の合体語だと思う。 木炭の場合は、石油系燃料と違って、燃やしても「カーボンニュートラル」といって、地球温暖化の原因である二酸化炭素が増えないと解釈されている。 それは、木が成長するときに吸収した二酸化炭素を燃えることによって吐き出すだけで、プラス+マイナス=ゼロという考えである。 現在、日本国内でもてはやされ、大々的に検討されているバイオエタノール燃料も同様にゼロの世界である。 決して、炭素を固定するものではない。 その点、この木炭を土壌に入れることは、炭素を土に埋めて固定し、木が成長過程で吸収した空気中の二酸化炭素を大気中に戻さない。 これは、空気中の二酸化炭素を削減する上で最も効果的な方法である。 それも、単に炭素を固定するだけでなく、土壌改良剤として土の保水力を高め、酸化した土を中和する働きをし、余分な肥料の格納庫となって少しずつ吐き出して肥料を長持ちさせ、微生物の住処となって土壌を生き返らせるなど、多くの効能がある。 炭づくりに携わっている者としては、アグリチャー(農業用炭=土壌改良炭)の利用について、外国で話題となるよりも、もっと日本において意識されるようになって欲しい。 アグリチャーを利用している方々は、「我々は、地球温暖化の防止に寄与しているのだ」と胸を張って語って欲しい。 そして、日本の食料自給率を高め、子々孫々が安心して安全に暮せる環境づくりをしたいものだ。 (アグリチャーのことは、こちらの「益田森林・林業普及情報」にも掲載されています。)